ルックアップフィールドは、親または被参照オブジェクトのフィールド値を子オブジェクト、参照オブジェクト、またはドキュメントに展開します。これにより、ユーザは、関連レコードから関連情報を表示することができます。ルックアップフィールドは編集不可です。関連オブジェクトレコードからの情報を表示する方法だけを提供します。ルックアップフィールドで検索、フィルタリング、レポート作成が行えます。また、動的アクセスコントロールに精度を加えることもできます。ルックアップフィールドは、オブジェクト、高容量オブジェクト、またはドキュメントに設定できます。
注: ルックアップフィールドは非同期で更新されます。このため、ライフサイクルエントリアクションやエントリ条件など、時間軸のある処理の条件としての使用は推奨しません。
編集モードでは、親または被参照オブジェクトフィールドが変更されたときに、ルックアップフィールドの値が自動的に更新されます。
オブジェクト関係
オブジェクトと大容量オブジェクトのルックアップフィールドは、送信 (親または参照) オブジェクト関係を使用する必要があります:
- 親子関係の例: 製品はマーケティングキャンペーンに対する親オブジェクトです。製品オブジェクトからデータを読み込むルックアップフィールドをマーケティングキャンペーンオブジェクトに作成できますが、マーケティングキャンペーンオブジェクトからデータを読み込むルックアップフィールドを製品オブジェクトに作成することはできません。
- 参照関係の例: これはオブジェクトのルックアップフィールドにのみ適用されます: エージェンシオブジェクトには、マーケティングキャンペーンオブジェクトを指す参照関係があります。マーケティングキャンペーンからデータを読み込むルックアップフィールドをエージェンシに作成できますが、エージェンシオブジェクトからデータを読み込むルックアップフィールドをマーケティングキャンペーンに作成することはできません。
ルックアップに使用するソースフィールドが参照フィールドの場合、フィールドを追加するオブジェクトはその関係を継承します。これは、その関係をレポートやダッシュボードで使用できるようになります。
ドキュメント-オブジェクト関係
ドキュメントのルックアップフィールドは、オブジェクトタイプのドキュメントフィールドで作成されたオブジェクト関係を使用する必要があります。オブジェクトのドキュメント参照フィールドで作成された関係を使用することはできません。
- ドキュメント-オブジェクト関係の例: 販促資材ドキュメントタイプの製品フィールドは、ドキュメントタイプと製品オブジェクト間の関係を作成します。製品オブジェクトの製品ファミリーフィールドからデータを読み込むルックアップフィールドのドキュメントタイプを作成することができます。
フィールドタイプおよび制限
ドキュメント
ドキュメントにルックアップタイプのフィールドを作成する際に、ソースフィールドは以下のフィールドタイプの 1 つを有している必要があります。
- オブジェクト
- 選択リスト (単一選択および複数選択)
オブジェクトおよび大容量オブジェクト
オブジェクトまたは大容量オブジェクトにルックアップタイプのフィールドを作成する際に、ソースフィールドは以下のフィールドタイプの 1 つを有している必要があります:
- オブジェクト
- 選択リスト
- テキスト
- ロングテキスト
- リッチテキスト
- 日付
- 日時
- はい/いいえ
- 数字
- 通貨
ドキュメントのルックアップフィールドは、ルックアップオブジェクトフィールドとして複数選択可フィールドを使用できますが、ルックアップソースフィールドとしては使用できません。
ルックアップフィールドは、ソースフィールドとして以下も使用できません:
- 検索可能オブジェクトフィールドで設定されたフィールド
- 無効なフィールド
- その他のルックアップタイプのフィールド
監査証跡の追跡
Vault は、高容量オブジェクトのルックアップタイプのフィールドを除き、以下のシナリオで対応するオブジェクトレコードに監査証跡のエントリを追加します。
- ルックアップフィールドのソース値が変更された
- ルックアップフィールドが初期化され、ルックアップフィールド値が設定された
- ルックアップフィールドの基となる参照オブジェクトが変更された
Vaultは、ルックアップフィールドを持つレコードの最終変更日に対応する監査証跡のエントリを追加し、それは上記のシナリオの下でも更新されます。
制限
Vault では、以下の方法で作成できるルックアップフィールドの数が制限されています。これらの制限は、お使いの Vault のパフォーマンスに問題が発生しないようにするものです。
オブジェクトのルックアップフィールド
以下の制限は、オブジェクトに作成されたルックアップフィールドに適用されます:
制限名 | 制限 | 説明 |
最大ルックアップフィールド関係 | 5 | これは、1 つのオブジェクトが持つことができるルックアップ関係の最大数です。例えば、製品オブジェクトに他の 5 つのオブジェクトとのルックアップ関係がある場合、6 番目のオブジェクトとのルックアップ関係を作成することはできません。 |
関係当たりの最大ルックアップフィールド | 8 | これは、1 つのルックアップ関係に作成できるルックアップフィールドの最大数です。例えば、製品オブジェクトに一般名オブジェクトとのルックアップ関係がある場合、一般名フィールドを参照する製品に作成できるルックアップフィールドは 8 つまでになります。 |
ソースオブジェクトに対する最大ルックアップ関係 | 8 | これは、単一のソースオブジェクトを指すことができるルクアップ関係の最大数です。例えば、すべてのオブジェクトに対する 8 つの関係のみが、製品オブジェクトを参照するルックアップ関係を持つことができます。いずれかのオブジェクトから製品を参照する 9 番目のルックアップ関係を作成することはできません。 |
ドキュメントのルックアップフィールドに対する制限
以下の制限はルックアップタイプのドキュメントフィールドに適用されます。ドキュメントタイプ階層の上位レベルから継承したフィールドは、これらの制限計算の一つのフィールドとしてカウントされます。
制限名 | 制限 | 説明 |
オブジェクト参照フィールド当たりのルックアップフィールド | 7 | これは、単一のドキュメント対オブジェクトの参照フィールドに依存できるルックアップの最大数です。例えば、製品は基本ドキュメントのオブジェクト参照フィールドです。このフィールドにより、ドキュメントと製品オブジェクトの間に関係が作成されます。このフィールドを使用して製品オブジェクトを指すルックアップフィールドを 7 つ以上作成できません。ドキュメントタイプに、同じオブジェクト (製品およびサブ製品) に対する 2 つの別々の関係がある場合、Vault はそれぞれ単独にこの制限を計算します。 |
ソースフィールド当たりのルックアップフィールド | 7 | これは、Vault 全体で、ソースオブジェクトの同じソースフィールドを指すことができるルックアップフィールドの最大数です。例えば、製品オブジェクトの一般名フィールドから値を取得するルックアップフィールドを 7 つ以上作成できません。 |
オブジェクト当たりのルックアップフィールド | 7 | これは、Vault 全体で、任意のオブジェクトのソースフィールドを指すことができるルックアップフィールドの最大数です。例えば、製品とサブ製品は基本ドキュメントのオブジェクト参照フィールドで、両方とも製品オブジェクトを指しています。同じオブジェクト (製品) を指しているため、これら 2 つのドキュメント対オブジェクトの関係を使用するルックアップフィールドを 8 つ以上作成できません。 |