多くの組織では、外部システムを使用して臨床データを収集してから被験者症例報告書 (CRF) とデータセットを作成しています。CRF およびデータセットインポートの機能を使うと、最終被験者 CRF とデータセットのすべてを素早く簡単に Vault にファイリングすることができます。Vault は、インポートされたドキュメントを、適切な治験と施設に自動で割り当て、それらを承認済みの状態とし、メジャーバージョン 1.0 に設定します。

CRF およびータセットのインポートへのアクセス

CRF のインポートおよびデータセットのインポートのアクションへは、治験一覧ページまたは治験詳細ページからアクセスすることができます。治験一覧ページを表示するには、管理者 > 企業管理者 > 治験に順に進みます。お使いの Vault に治験オブジェクトのカスタムタブが含まれる場合は、ここから CRF およびデータセットのインポートにもアクセスできます。

CRF とデータセットをインポートする方法

CRF またはデータセットの ZIP ファイルをインポートするには:

  1. 治験一覧ページを開きます。
  2. 適切な治験のアクションメニューから、CRF のインポートまたはデータセットのインポートを選択します。
  3. ウィンドウで ZIP ファイルを選択したら OK をクリックしてアップロードします。ZIP ファイルの構造が正しく、容量が 4GB 以下である必要があります。
  4. ドキュメント作成処理が完了したら、Vault が通知メールを送信します。

ファイルをアップロードしたユーザは、インポート処理で作成したすべてのドキュメントの所有者となることにご留意ください。

ファイル構造のインポート

CRF またはデータセットを正常にインポートするには、ファイルが以下である必要があります:

  • 標準 ZIP ファイル
  • トップレベルフォルダを持つ
  • 施設固有のフォルダを持つ

Medidata Rave™ EDC からエクスポートする場合は、ZIP ファイルが自動で正しいファイル構造になります。

施設のマッチングおよびフォルダ名

Vault は、施設固有のフォルダ上のフォルダ名を使用して、特定の施設にドキュメントを一致させますフォルダ名は、施設番号値と一致させる必要があります。

フォルダ名の説明も含めたい場合には、ダッシュ/ハイフン (-) の後に説明を付け加えます。例:「7490-UCSF Medical Center」、「7490 – UCSF Medical Center」。Vault は、ZIP ファイルからドキュメントを作成する場合は、説明を無視します。

Vault は、ZIP ファイルのファイル名とトップレベルのフォルダ名両方を無視します。

施設マッチングエラー

実施施設固有フォルダの名前が、Vault に設定された治験実施施設 (実施施設番号値) に一致しない場合は、すべてのフォルダのドキュメント作成ができません。

ドキュメント名

Vault は、アップロードされた CRF またはデータセットファイルのファイル名に基づいて、または Vault がカスタム名前形式を使用している場合は設定済み形式に基づいて、名前フィールドを自動入力します。

構造の例

これらの画像は、ファイルとフォルダの構造と、Vault で一致する施設の設定を示したものです。この構造を含む ZIP ファイルがアップロードされると、各施設に 2 つずつ合計 4 つのドキュメントが作成されます。

RIM 施設およびファイル構造 CRF ファイルおよびフォルダ構造

バッチインポートとのバージョニング

CRF またはデータセットのインポート機能を使用して、既存の症例報告書ドキュメントの新規バージョンをアップロードすることができます。ZIP ファイルをアップロードすると、Vault は以下を使用して、コンポーネントファイルが既存のドキュメントと一致しているかどうかを確認します:

  • ファイルをアップロードする治験および施設。
  • ドキュメントソースファイルのファイル名 (例:「74901002.pdf」)。

これら 3 つの属性が既存のドキュメントに一致する場合、Vault がアップロードされたファイルを既存ドキュメントの新規バージョンとして処理します。機能は、ドキュメントの新規バージョンのアップロードアクションと同じです。バージョンフィールドは、V1.0 から V2.0 のように、メジャーバージョンごとに増えていきます。

CRF およびデータセットのインポート機能に関連するアクセスコントロールは 3 つあります。

  • 治験タブ: CRF およびデータセットのインポートにアクセスするには、治験タブへのアクセス権限が必要です。デフォルトでは、これには Vault の管理者領域へのアクセス権限を持っている必要があります。このアクセス権限はセキュリティプロファイルから付与され、このセキュリティプロファイルは、管理者の権限リストから少なくとも 1 つの権限を有している必要があります。これは読取り専用権限です。ただし、お使いの Vault に治験オブジェクトのカスタムタブが含まれる場合には、このアクセス権限は不要です。
  • ドキュメントの作成: CRF およびデータセットのインポート用に設定されたドキュメントタイプに対して、ドキュメントの作成権限を持っている必要があります。この権限がない場合、ZIP ファイルをアップロードすることはできますが、インポートアクションはドキュメントの作成ができません。
  • ドキュメントの編集: CRF またはデータセットのインポート経由で新規バージョンをアップロードするには、バッチインポートライフサイクルの承認状態 (承認済み) に対するドキュメントの編集権限が必要です。